Type49 Deep Navy

¥59,400

No destruction, No creation

ぱっと見でISSUETHINGSと分かるこのデザイン、表情。

今回のコレクション全体の話をすると個人的解釈なのだが「デザインの盗用」的な部分が多くあると思う。

と言うのは車や電化製品では当たり前のようにデザイン、機能といったものが真似されたりするのに対し、ファッションでは槍玉に挙げられWeb上で激しく燃える。それに関心を示したのが今回のコレクション。

そのため当店ではオーダーしていないが縫製仕様書に書かれるような指示がデザインにそのまま反映された作品があったり「同じように作られたとしても真似はできない」と言うようなアンチテーゼとも取れる要素が詰まっている。

逆に言えばこのニットを見た瞬間に「ISSUETHINGS」と言う空気を感じ取れる。

そう、つまりトレンディーなデザインではなくこのISSUETHINGSしか出せない空気というのをデザイナーの渡辺氏は2020年のブランド発足時からブレずにやってきたのである。

そして今やその「空気感をデザイン」にしているのである。

ISSUETHINGSの1stシーズンに作られたType3

帆布(キャンバス)にショットガンエフェクトを与えハードなダメージが私たちの心に突き刺さった伝説の名品。

それを思い起こすようなコットンニットにショットガンをぶっ放したようなダメージが入っている今回のニット。

あえて高級な素材は使わずシンプルで粗野なコットンにダメージを入れることで「これがISSUETHINGSのやり方」とメッセージを投げかけてくるようなデザインを施している。

しかし考えてみると高級な素材、トレンドのデザインを施せばSNSが発達した現代社会で誰でもデザイナーになれてしまう時代。

そうではなくありふれた素材をしっかり調理し「自分だけしか作れない味でお客さんを喜ばせる」というデザイナーが為すべき事をしっかり行っているのである。

そしてそれを見た私たち受け取り側が「ISSUETHINGSっぽい」と納得出来るレベルまで達している。

つまりもう彼らにはロゴやブランドタグは要らないのかも知れない。

しかしデザイン的な部分だけでなくしっかりニットとして着れるようにダメージとリペアのバランス、はたまたシルエットのバランスが格段に良くなっている。

ダメージがこれだけ入っているとなれば、ニットを着ているというよりもダメージの服を着ているというのが大きくなってしまうが、着てみるとニット特有の優しい表情を感じられるのである。

このデザインとニットという物としてのバランスが非常に優れている1品だと私は感じる。

詳しくは着用を見てもらえれば一発だと思います。

実際に穴は空いておらず、コットンニットに対しリペア部分はフリースのようなウールの生地が充てがわれている。

簡単に言えばリペアニットなのに何故かそんなチープな匂いは感じず、廃退的でいつつもエッジというよりも研がれた牙のような殺伐とした雰囲気を醸し出している。

きっとそれは冒頭で言ったような何かに対するアンチテーゼが常に作品の根底にあるからだろう。

コットンニットということもあり早秋には素肌に直接着ても良いこのニット。

ビーズや石のアクセサリーと合わせることで何故だろうか、ほんのりとリゾートな香りもする。

また「ニットとして着れる」という部分もこれを見ると分かるようにダメージ部分が嫌に先行しないで、しっかりニット特有の柔らかさや優しさが表面に出ておりリラックスした着方が出来る。

この絶妙なバランスと、何よりダメージの廃退的なISSUETHINGSらしさが随所に感じられる素晴らしい1品です。

Deep Navyも深く綺麗な色をしつつもISSUETHINGSらしい緩さがカジュアルに寄せてくれており、使いやすい色をしています。

特にジュエリーとの相性は抜群に良く、廃退的なデザインの中にジュエリーの艶感が引き立つような組み合わせを楽しめます。

コットンということもあり耐久性も高いことから色の汎用性もあり相当使いやすい1枚になることは間違い無いでしょう。

個人的な事を言わせて貰えば色が綺麗すぎて何枚も写真を撮ってしまうほど良い色です。

ネイビー好きは絶対に好きな色。

母なる大海のような深い藍に溺れてみませんか。

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