nagashizome blouson
ナイロン、そしてM-65という見慣れた、ありふれた素材を使いつつもSatouらしく流し染めという日本に昔から伝わる手法(墨流しという手法は1300年前からあるようです)を使った独特な色合いとボリュームの1品。
染めにより変わったのは色合いだけでなく、生地の風合いやその風合いによって出るシルエットなど、さまざまな部分に "流し染め" が作用していっている気がします。
使っている生地はナイロン100%で裏地もあります。
それを流し染めというジョウロのような道具を使い染め上げていく流し染めで染めているのですが、そもそもパーツごとに染まり方が違っており製品染ではなく生地の段階で染めてそれを裁断し縫製しているのかなと。
そのためパーツごとにトーンの差が生まれていてよく見るとクレイジーパターンのような色に差があることに気づきます。
そして染めによって凹凸が生まれ肌触りも軽く天然繊維のような表面になっています。
これが袖の膨らみや裾を絞った時のボリュームに作用してシルエットが綺麗に、そして見た目も軽く見えるような視覚効果も感じます。
ベースはM-65ですがフロントの4つのポケットはSatouがパンツなどに用いているスクエア型のマチ付きのポケットを配置。
左袖のみにあるシガーポケットが付いている部分にも同じくマチ付きのポケットが付いています。
ジップはダブルジップになっており袖には前振りになるようにタックが入り袖口にはジップが付いています。
そして両脇にはスリットが入りドローコードが付いており絞れるような仕様に。
要所要所でボリュームを楽しめる作りになっており一般的なミリタリーブルゾンとも、スポーティなナイロンブルゾンとも違った空気感を楽しめるデザインになっております。
一歩間違えばただのウインドブレーカーになってしまうような素材や型ですが、ポケットやシワのある生地、そしてジップ使いで生地は軽いのに迫力のある見た目になっているんですよね。
どこを見てもギミックが詰まっていて抜け目がなく男性ならば胸を熱くさせる要素が多いと思います。
もちろん着ていてもボリュームや裏地も付いているのでアウターとしての使い勝手もよく、今の時期から使える作品となっています。
こちらで173cmがサイズ2を着用
ハットはSailor Hat
インナーはkimono knit tee L/S(未掲載)
シューズはSide Zip Heel Boot
こうやって着てみるとフロントの開き方やボリューム感が絶妙なのがわかりますね。
実際袖のボリュームや絞った時の裾の膨らみがとても綺麗です。
いわゆるナイロンブルゾンですが流し染めや落とし込まれたデザインが丁度いい塩梅でモードでいて、そして迫力があります。
ありそうでなかったような、なんだか違和感すら覚えるような1着。
是非袖を通してみてください。