Gaspard BL / Sunburn

¥48,400

好みがはっきり分かれ、その時の気分も左右するような加工デニム。

ハマればカジュアルの代名詞ながら最高の気分にさせてくれる一方で普遍的であるばかりに全く心を揺さぶられない時もあります。

しかし「日本の技術力を持ってしてヴィンテージを超えるものを作る」とABERGEデザイナーの小林さんが言っていたように、今回の加工を見て少なからず私はとても美しく芸術的だなと感じました。

特に穿いている時は加工の色合いと陰影と迫力が増し、自分で撮影した画像を見ても素晴らしいなと思ってしまいます。

素材はブランドの説明にも「米軍ヴィンテージ再現デニムとしては最も高い完成度」とあるように10ozほどのデニムを使い、リスクを負い生地の段階で加工・洗いを施しています。

そうして出来上がったのが縦糸のムラ、ネップの入り具合、総合的な肉厚さと完璧に近い生地。

通常のデニムよりもキメが細かく確かに派手に加工を施したらボロ雑巾になってしまいそうなのをギリギリで服として着れるような加工で止めているな、と生地に触れるとわかります

何より美しい色合い。

淡いブルーに時折入るベージュのようなコントラストが本当に美しいです。

シルエットは40’sのデニムトラウザー “M1935” をベースにしているのですがフロントにタックを入れ腰回りはゆとりを持たせているのですが、そこからゆっくりとテーパードをかけています。

ヴィンテージはストレートで土管型に対してこちらは以前シーアイランドコットンを使ってモールスキンを作ったAdolpheの様なひょうたん型になっています。

これがスラックスのテーパードとは違った見た目になりとても綺麗で更にモードな空気を孕んだシルエットだなと感じます。

そしてそのモードという部分ですが、ここ数シーズンのAubergeは加工の技術と作品の噛み合い方が神がかっておりModeがトレンドという意味合いのようにヴィンテージというよりもファッションという要素の方が強く出ていると思います。

穿いてみて感じるのはヴィンテージの良さを残しつつも痒いところに手が届いているような、説明にあってヴィンテージにはない生地の厚みやインディゴの残り方など。

そしてヒールブーツにもあってしまうような現代的なシルエット。

砂浜に埋めたり焼いたりすることではなくアルチザン=職人という意味合いだったらAubergeだってアルチザンだろ、そう思ってしまうほどの加工や技術力や1本のパンツとしての完成度だと思います。

173cmがサイズ42を着用
ジャケットはSuper Fine Wool Tropical DB JKTを着用

前述したようにシルエットがウエストの膨らみから裾のかけて細くなるような感じなのですが、それがテーパードスラックスのような感じではなくひょうたん型になっているのが特徴かなと思います。

そのため普通のデニムでもなくトラウザーでもない独特な空気とトップスも足元も幅広く合わせられることが可能に。

個人的にはこのような綺麗なジャケットスタイルに完全にハマる砂漠(色名もSunburnですし)のような1本だと思います。

そしてAubergeの作品の完成度がシーズンを追うごとにドンドン上がっていっているのにお気付きでしょうか。

デザイナーの小林さんが仰っている日本の技術力の高さとそれをしっかりマッチさせるAubergeというブランド。

この2つが完璧に組み合わさりこの画像から伝わるような迫力のある1本が仕上がっているわけです。

私としてもその完成度の高さから画像撮っているだけでもテンションが上がりましたし、服で気分が上がるのは着るだけじゃないんだなと感じましたね。

美しい色合い、そしてシルエットを是非お楽しみください。

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