B-15 TYPE BLOUSON
ニットを中心にコレクションを展開するsacai出身のデザイナー諸橋氏が手がけるMAYKAM
今期は素材とシルエットを生かし日常で手に取りやすいものを製作、そしてアウターは暖冬により暖かい時期が長いということでコートなどのヘビーアウターは作らず、こちらのB-15 TYPE BLOUSONのようなアウターにもインナーにもなるようなモノが1番厚手になります。
しかしそれ故に素材のクオリティはもちろんニットでしか出来ない製法や 着心地があります。
素材はウール100%なのですが細く長い、Super〜’sのようなウールを使い強縮絨した生地を採用。
そのためハリがありつつもカシミヤタッチで非常に柔らかく何より軽い。
毛もブラックをベースにグレーのような色も混じっているので真っ黒というよりもチャコールに近い色合いに。
そして全体的にリブ編みのような編み立てがヘリンボーンに近い見た目になっているのも面白いですよね。
そうすることで一層アウターみが増すというか、重厚な空気に仕上がっているなと思います。
そしてニットならではの製法といえばポケットはまるで穴が空いたような見た目になっており、ポケット口を縫わずに形成出来るからこその見た目になっています。
そしてリブはダメージが与えられたような加工が施されていて、そもそも「縫い代をステッチで叩く」という作業がないからか全体的に非常にミニマルに見えます。
製法以外でも襟が付いている状態・取ってリブの状態・スタンドの状態と3種類楽しめジップもダブルジップになっています。
諸橋氏が日常で使いやすいと考えるとここまで手の込んだものができるんだなと感心してしまいます。
着心地は言わずもがな最高。画面上では伝わりづらいと思いますがやはり軽い。あとシルエットに無理がないと言うかゆったりしているんですけどダラシくない、でもモードに見えるという絶妙なバランスで作られています。
丈もフライトブルゾンにしては長めでインナーとの合わせも丁度良く、この手のアウターでありがちなインナーの着丈が出過ぎると言う問題も解消。
着ていて非常に心地良い1着です。
173cmがサイズ3を着用
*襟を外した状態です
パンツもMAYKAMということもあり良い感じのシルエットだなと。
このMAYKAMの綺麗ながらも非常にモードでエッジの効いた空気が個人的にとても好きで、やはりニットウェアにしか出せない空気なんだろうなと思っております。
このミリタリーのB-15とは違った無骨な佇まい、良いですよね。
そしてあえて繊細なウールを強縮絨することによって生まれるハリで綺麗に膨らみ・ボリュームが出ています。
それが着た時に力抜けて大人っぽく見えるというか、余裕を感じますよね。
質感、シルエット、そして空気を是非味わってみだください。