Tabi Melton Coat Brown

¥121,000
サイズM (裄丈88cm 身幅65cm 着丈97cm)

Mixed Traditional Craft

今期から取り扱いを始めたドメスティックブランドSatou(サトウ)のコートの紹介です。

大分出身の佐藤佳弘氏が手がけるブランド。

作品には日本の伝統工芸や佐藤氏の思い入れの強いモノからインスピレーションを得たものなど、どこか "日本" という要素を感じることが多いブランドです。

こちらのTabi Melton Coatも同様、様々な日本的要素が多く組み込まれたコートになります。

デザインとしては襟はショールカラーになっており胸元のボタンを使い立たせて着用することも可能。

断ち切りのメルトンの表情など、どこかアルチザンな空気を感じると思います。

また胸元にはハンドウォーマーポケット、ウエストには大きなスクエアポケットを配置。

手ぶらで、これ1枚で真冬も完結するような作りになっています。

毛七(ケシチ)

そして伝統的な部分で言いますとまず生地。

こちらは毛七(けしち)という着古したセーターや使わない生地からウールを収集。それを原料ごとに分けていきウール70% 化学繊維30%というウールの柔らかさを活かしながらも耐久性を持たせた生地を作り上げます。

いわゆる裂織のような文化ですね。

そして最終的に尾州の職人が時間を掛けシャトル織機で空気を孕み柔らかく肌触りの良い生地に生まれ変わります。

時間をかけて丁寧に織られているためにヘビーメルトンと説明されていますが相当柔らかいです。

個人的には織物ですがニットメルトンのような伸縮性を感じる着やすさです。

生地を見てもらうと分かりますが6mmほどの厚さのある生地なのですが着ると体全体に重さが分散するのか着疲れすることなく着用できます。

正直ヘビーメルトンですがスウェットの方が着心地は近いかな、そう思ってしまう程の生地です。

そして生地の他にも伝統的な春慶塗という技術を施したボタン、ウッドリングを採用してます。

春慶塗は岐阜の飛騨高山に伝わる漆塗りの手法。ベースに色をつけた後に漆でコーティングするような技術です。

そうすることで木目を一層美しく見せることが可能ということで、画像を見てもらうと分かるのですが木の質感に奥行きが出ていてとても上品に仕上がっています。

因みにボタンの裏を見てもらうと分かるのですが、裏面は木の素の状態で1点1点塗られていることに気づきます。

ぱっと見はシンプルなウールのコートかも知れませんが、どこか匂う日本らしさというのはこういった所から来ているのですね。

173cmがサイズMを着用

インナーはISSUETHINGSのType49(Damaged)

胸元の開き方、そしてラグランの落ち感。生地に迫力がありつつもこの力が抜け方が独特ですね。

あとは着用すると分かるのですが生地が柔らかくて着やすいのは勿論、機能的にもハンドウォーマーポケットの位置や袖の太さと着ていて感覚的に使いやすく楽ですね。

デザインも機能面もしっかり日本人が考えて作ったコート。そんな感じがします。

色もブラウン表記ですが糸が混じっているため明るい場所ならブラウンよりに、暗い場所だとグレーっぽく見えます。

その色も渋くて良いかなと。

そしてどこからともなく感じるNomadな雰囲気。

クラシックでもカジュアルでもない、この唯一な雰囲気を楽しんでください。

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