TYPE36-b / DARK GRAY
素材 / ウール100%
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大人なISSUETHINGS
今回発表された作品を見て私が思ったことは「シックになった」これです。
今まではオーバーサイズでキャッチーな加工を施し、インパクトのあるものが多かった。しかし今回はしっかりと引き算されていてデザイン、素材、加工の三拍子が見事に噛み合い「落ち着き」を生んでいます。その落ち着きがブランドに厚みを加え、さらに言えば今までISSUETHINGSを着なかった層にも届くんじゃ無いかと思ってます。
今まではディストーションの効いたサウンドが似合っていたけど、今はジャズの方がしっくりくるような、、、良い感じに脂が乗ってきたなと思います。
2023年のISSUETHINGSから届いたのはブルゾン(ショートトレンチ)のような作品。
ご存知の通りISSUETHINGSの代名詞といえば初期に発表されたType3のような加工が入っていたオーバーサイズのコートですよね。
しかし時を経てシルエットはダウンサイジングし造形に磨きを掛け加工は全体ではなく要所にしか入っていない。そういう部分を見るとブランドとしてもっと鋭く繊細なモノ作りをし始めたと勝手に感じております。
だからこそ今回の作品は "落ち着き" や "余裕" を感じられるものなのかなって。
ベースになっているモデルはファティーグジャケットでしょう。
そこにベルトとポケットを変更し、シルエットもワイドに。そして袖は肘部分にタックを入れて前振りになるようにし、袖口で切り替えてありそこから袖口にかけてタックを入れて絞っています。
なのでミリタリーがベースなのですがショートトレンチのような佇まいでかなりドレスな仕上がりになっています。
でもヴィンテージとクラシックというベースがありつつもISSUETHIGSとしての色もしっかり感じられるのがブランドとして熟成した部分だと思います。だってヴィンテージとクラシックで良い素材使っているブランドなんて腐るほどあるじゃないですか。タグ付いてなきゃ全部同じに見えるくらい。
でもそうじゃなくてこの作品は裾の加工、袖口のリベット、なによりもシルエットが完璧にISSUETHINGSしてる。
だから私個人として似てるなって思うのが売れたバンドが1stアルバムのサウンドを捨てて自分達だけの音を出そうとしているような、そんな感じに近いなって思います。
だからブランドタグ見なくても「あ、これISSUETHINGSだ」みたいな感じになってきているのかなと。
背面のチンストラップ
ほら、こんな風に背中にチンストラップ付けちゃうなんて渡辺さんっぽいもん。
でもこれもただ面白いからじゃなくしっかりと意味があるのが彼の考えで、その発想の仕方がマルジェラっぽいなって思ってます。このデザインに至った道筋まで聞けてしまう部分が。
そうやって問題提起してくれるからこそ「ISSUETHINGS」 この名前が本当にぴったりだなって思いますね。