TORTOISE LOOSE JACKET
素材 / コットン45% ウール22% ビスコース20% リネン13% 裏地:コットン100%
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服にのめり込み人生で稼ぐお金の大半を注ぎやす服好き達が行き着く果てと言われる"アルチザン"
Artisan=職人という意味で生地、縫製、パターン&シルエットが研ぎ澄まされたような完成度と摩訶不思議な加工によって仕上げられ、職人が作る服ということでアルチザンと呼ばれています。
つまりそれが指すのはデザイン的な部分では決してなくあり得ないほど作り込まれた生地や考えられない加工、そして時代に左右されない良くも悪くも変わらない軸を持ったブランドのことを言っているのです。
それを考えると実はマナミスってアルチザンブランドではないのかも知れません・・・
なぜならば私たちの思いつく"Paul Harnden" "Carol Christian Poell" "Elena Dowson"などの俗にいうアルチザンブランドの作り込まれた屈強な生地とは違い、今回マナミスが提供してくれた生地は繊細でとても滑らかなのです。
見た目こそウールリネンを煮込んだガチガチの生地に見えますが、コットン/ウール/ビスコース/リネンという配分で織られた表面は非常に柔らかく滑らか、そして軽い。
感触で言えばメリノウールのニットと同じようなフカフカな触り心地です。
もちろんそれが作り込まれていないと言っているのではなく所謂アルチザンブランドが使用する生地とは一線を画したものになっていると言いたいのです。
そしてデザインで言えばこのジャケットはダブルブレストのコートを腰付近で切り落としたような作りになっており、裾は切りっぱなしでポケットの袋布も裾から見えています。
シルエットで言えば肩は落ち、身幅はボックスシルエットになっておりゆったり着れるような作りに。
不変的なデザインで経年変化を楽しむようなデザインではなく、しっかりとデザインされつつも特徴的で視覚的にも楽しめる作品になっており、多分この辺りはデザイナーが女性ということが大きのではないでしょうか。
メンズの服といえば作業服や日常を過ごすような衣類になると思いますが、ウィメンズの服といえば"ファッション"や"着飾る"モノでその差が自ら作る作品にデザイン的な要素を落とし込む大きな要因であり、他のブランドとの明確な差になっているのではないでしょうか。
素材感が強く打ち込みの良い生地に見えますが着てみると物凄く軽いです。
シルエットも程よくルーズな具合でダブルブレストのオジサンぽさは皆無。
気軽に着れ、それでいて素材は滑らかで軽くこの暖かい気候にも適応し、しっかりデザインもされている。
そう考えると凄く良い意味でアルチザンブランドっぽくはないですよね。
173cmがサイズ5を着用しております(パンツはサイズ4を穿いてます)
単品でも相当格好いいですし、単品ならではの合わせを楽しめるのですがやはりセットアップで着ると迫力が違いますね。
値段は結構しますが、服好きならこのデザインや素材、加工を考慮したら逝けるんじゃないでしょうか(???)
そもそもSHINYAKOZUKAのGiant Shirtのような発想で大きなものをリサイズするというニュアンスなのかも知れません。
だからフロントの打ち合いも深くポケットの位置も低い。
なのでフロントを閉めるとジャケットですが袈裟のようなジャパニーズクラシックな面持ちも感じられます。
とてもシブくアルチザンな空気もありつつ、それでいて現代的でもあるような絶妙なバランスの作品です。
是非袖を通してみてください。