Benjamin Button Pants 2(Back In Black)
素材 / ウール100%
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*なぜ入浴後なのかは動画をご参照ください
当店が4年前に現在の店舗に移転してきた直後に別注作品として作っていただいたISSUETHINGSのBenjamin Button Pants
その時はブラックのヴィンテージメルトンに白いエアブラシを吹きかけ、着用するたびにエアブラシが落ち更に油分を含んだメルトンがツヤを増すというBenjamin Buttonのように若返っていくようなパンツを作って頂きました。
そして今回は白いウール生地にブラックの塗料を吹きかけるという逆のパターンを制作。しかし紐解いていくとまた違った面白みがあることに気づきました。
まずベースとなっているのはType68のシルエット。
そちらにウール素材を当て込んでいるわけですが、元々は現物よりも130%ほど大きい作りになっておりそれを強縮絨させることでメルトンのような厚みを持たせています。
しかも塗料も載せた状態で縮絨させるという実験的試み。
そのため表面的に載っているブラックの塗料は少なめに見えます。
しかしこれ、よく見ると奥の方にブラックの塗料がいるのが分かりますよね。
ウールの縮絨で毛足があるために表面に載っていた塗料は落ちているのですが、その奥に染み込んでいる塗料はそのまま残っているという面白い加工に。
なので全体で見るとウールの毛足によって影が生まれているような、不思議な奥行きを感じる生地に仕上がっているのです。
そして強縮絨によって縮まっているため、ブランド側に連絡したところ「お湯につけて伸ばすと元のサイズに近くなります」と連絡を受け、購入した私物とそのままお風呂へ。
乾燥後に穿いてみると1サイズほど大きくなり本来のシルエットに。
*そのため新品と伸ばしたモノの2種類ご用意しています。
しかも面白いのが表面の毛がある程度濡れることで抜け落ち、奥にいたブラックが見えやすくなるんですね。
なので全体的に濃くなり、通常穿くことで色が退色するのが逆に濃くなるというまさにBenjamin Buttonな仕様になっています。
毛足が長すぎるニットは別ですが、Lea Bobergくらいのざっくりしたニットだとパンツが岩のような表情をしているのでバランスが取れて合わせやすいなと。
あと色味に関しても真っ白じゃないんですよね、糸はグレーとブラウンの糸で構成されており、そこに更にブラックの塗装が載ってくるのでダークホワイトやダーティホワイトのような色合い。
それがまたモードで合わせやすく、先ほど言った岩のような表情に繋がっていて迫力があり、決して綺麗なスラックスでは出せない存在感がこのパンツにはあります。
シルエットも "服分かってる" 感じしませんか?
今までの過度なオーバーサイズから徐々に細みが気になるのですが、細すぎずと言ってルーズにも感じないようなシルエット。
これが非常に大人でシブい。上はスウェットでも良いくらい余裕を感じます。
決して時が戻ることはないですが、若返った気持ちでこのBenajamin Button Pants 2を穿いてみては如何でしょうか?
劣化ではなく進化であり季節のように移ろう変化を感じてください。