Modified Shawl Collar Jacket / Burgundy
オーバーサイズ全盛の昨今、それが特別なものではなくなり最早基準のような概念で捉えられいるファッション業界。
そんな中、IRENISAの展示会場で今回紹介するModified Shawl Collar Jacketを試着したときに「あ、今必要なのはこれだ」そう感じた程でした。
しっかり肩を合わせてスーツにタイドアップではないけれど、ある程度の緊張感があり袖を通せば世界が変わるようなスペシャルな1枚。
私はそれがこのジャケットだと思いました。
ラペルはショールカラーとノッチドを掛け合わせたような独特な形状をしており、肩パッドや見頃にはスーツに使う毛芯を仕様しウエストも絞りを効かせています。
そして着たときにはしっかりと重量が肩に乗り胸周りや袖は何の違和感もなく着用出来、まるで自分の体の一部のような感覚にさえなります。
同素材でもっとボクシーで肩も落ちるRelaxed Shoulder Jacketという作品もあるのですが、今着たいのはこんな人体工学に基づくような緊張感のあるジャケットだなと私は思っております。
素材はウールモヘア生地になります。
独特なプルンとした弾力とハリがある素材でドレープや落ち感を生みやすい素材だと思います。
そして何と言っても表面が綺麗。
IRENISAの世界観が思いっきり表現されているようなソリッドで無機質な佇まいをしており、フォーマルなジャケットですが決して古臭さを感じないし感じさせない生地を使用しているなと思います。
色合いもBurgundyという赤と茶色の中間のような色合いで凄く格好良い色をしています。
この色なだけで格好良いなと思ってしまうほどです。
フロントが1つボタンなのもポケットやヘム(裾)ラインが直角なのも非常にIRENISAらしく、この辺りもフォーマルですが古臭くならないポイントかなと思います。
ライニングは背裏仕立てで内ポケあり、センターベントで袖は本開きになっており完全にテーラーメイドな1着。
でもこれをファッションとして、ビジネスではなく遊びで使えたら相当楽しいはずです。
気持ちがガラッと変わるジャケットなので是非袖を通して頂きたいですね。
173cmがサイズ2を着用
インナーのニットはLeather Tab Knit Pullover
パンツはセットアップパンツのTwo Tucks Wide Trousers
ブーツはSide Zip Heel Boot
正直こんなスーツのようなジャケットを着るのは久しぶりなのですが、多分コロナがあけて外出し娯楽を楽しむことが昔のように戻ってきた今、必要なのはこんな綺麗なセットアップなのかなと。
昨今のオーバーサイズに慣れすぎた私たちは頭の先から足のつま先までビッグサイズでユルユルのガバガバになってしまっていて、そこに襟を正すようなこんなジャケット&トラウザーはボディブローのように効きますよね。
ジャケットはあえて "肩で着る" ジャケットをオーダーしたのですが、今だからこそやりたいセットアップスタイルではないでしょうか。
もちろん厳密に言えばスーツとは違いラペルはノッチドとショールの中間のような形になっており、ヘムラインや美しく綺麗ばバーガンディカラーは "オシャレ着" として存分に力を発揮してくれるでしょう。
そしてどこかロックを感じるというか、フォーマルなのにワルさを感じるような佇まいも私としては推しです。
決して正装着でオジサン臭いことはなく、尖っていて良い子ちゃんにはなりきらない。そんな空気が大好きですね。
やはり今ファッションを楽しむのならこんなセットアップが良いのではないでしょうか。
お薦めします。